これぞ、巌の如きベートーヴェン!!
マタチッチ、完全初出のベートーヴェン・ツィクルス1980-1981
(巨匠最後の全曲演奏会)ステレオ・ライヴ!!
巨匠マタチッチはベートーヴェンを満遍なく取り上げていた指揮者ではありません。生涯で二度しか全曲演奏会をしなかったと言います。その最初のものは1962年のミラノ放送響とのもので、CDとして既出ですが音質には不満もあり、オケの響きの薄さには泣かされたものです。ついに登場する巨匠最後のベートーヴェン・ツィクルスは巨匠のお膝元である、ユーゴスラヴィア(現クロアチア)のザグレブ。もちろん手兵のザグレブ・フィルを率いての大演奏です。HRTクロアチア所蔵の音源は優秀なステレオ。正に巌の如きベートーヴェンがそそり立ちます。第1番、第2番、第8番という小ぶりな曲の内容の深さにも感動。第7番は青年のような元気溌剌さ。「運命」、「第九」の人生の苦みを体現するかのような切実な表現。壮大な「エロイカ」等、聞き所は満載。マタチッチを、更にはベートーヴェンを知るには必携の名演と言えましょう。解説には演奏分析の神、金子建志氏がマタチッチのベートーヴェン演奏の秘密を御開帳! |